文の組み立てで使う日本語
これ・それ・あれの使い分け|店で商品を指して伝える日本語
向かい合って話すとき、自分の近くの物は「これ」、相手の近くの物は「それ」、二人から離れた物は「あれ」です。「このペン」のように物の名前を続けるなら、この・その・あのを使います。物を受け取ったり、話す人が替わったりしたら、もう一度位置を確かめます。

文具店でペンを見たいとき、自分が手に持つペン、店員が持つペン、離れた棚のペンでは言い方が変わります。英語のthis・thatと一対一で覚えるより、「誰が話していて、物はどこにあるか」を見てみましょう。
位置で選ぶ/それを見せてください/話す人が替わるとき/この・その・あの/聞き返されたら/ここ・そこ・あそこ/練習。
これ・それ・あれは、話す人から見た位置で選ぶ
店員とカウンターを挟んで向かい合っている場面で考えます。近さは何メートルという決まりではなく、会話をしている二人と物の関係です。
| 言い方 | 使う場面・次の行動 |
|---|---|
| これ | kore / this one。自分の手元にある商品。 |
| それ | sore / that one。相手の手元にある商品。 |
| あれ | are / that one over there。二人から離れた棚の商品。 |
| どれ | dore / which one。いくつかの物から、どの物かを聞く。 |
二人が並んで同じ棚を見ているときは、二人のすぐ近くの物を「これ」と言えます。少し離れた物に「それ」、遠くの物に「あれ」を使う場合もあります。向かい合うときの図だけを、どんな立ち位置にも当てはめないようにします。
こ・そ・あに、質問のどを加えた並びを「こそあど」と呼びます。まずは店の中の一つの物を指して練習しましょう。
それを見せてください:受け取ったら「これ」に替わる
相手のそばにあるペンを見せてもらいます。相手から受け取って自分の手元に来たら、同じペンでも「これ」になります。
| 言い方 | 使う場面・次の行動 |
|---|---|
| それを見せてください。 | Please show me that one。相手の近くにあるペンを指して頼む。 |
| はい、どうぞ。 | Sure, here you are。相手がペンを渡すときの返事。 |
| これはいいです。 | This one is good。受け取って試したペンの感想を言う。 |
| あれがいいです。 | I would choose that one over there。ペンが二人から離れた台にあるときの言い方。 |
「これはいいです」は、この場面ではペンへの肯定的な感想です。購入や支払いのやり取りは買い物の日本語で続けます。
これ・それ・あれの後には、は・を・がなどの助詞を続けられます。
| 言い方 | 使う場面・次の行動 |
|---|---|
| これは何ですか。 | What is this? 自分の近くの物が何かを聞く。 |
| どれがいいですか。 | Which one would you choose? 見えているいくつかの物から選んでもらう。 |
指さしは言葉を助けますが、人の顔や体のすぐ近くを指すのは避けます。商品を示すときも、相手に何を見てほしいか分かるようにします。
物が動かなくても、話す人が替われば言い方が変わる
マヤが青いペンを持ち、レオが向かい側にいるとします。レオからは「それ」、マヤ自身からは「これ」です。同じペンに、いつも同じ指示語が付くわけではありません。
| 言い方 | 使う場面・次の行動 |
|---|---|
| それは青です。 | That one is blue。レオが、マヤの持つペンの色を言う。 |
| これは青です。 | This one is blue。マヤが、自分の持つペンの色を言う。 |
| そのペンがいいです。 | I would choose that pen。レオが、マヤの持つペンを選ぶ。 |
マヤがレオへ渡せば、今度はレオにとって「これ」です。「今話しているのは誰か」「物はどちらの近くか」の順に見直します。
この・その・あのは、後ろに物の名前を続ける
「これ」だけで物を指せますが、「この」は後ろに名詞を続けます。「この本」のように、何を指すかも言いたいときに使います。
| 言い方 | 使う場面・次の行動 |
|---|---|
| この本 | kono hon / this book。自分の近くの本。 |
| そのペン | sono pen / that pen。相手の近くのペン。 |
| あの店 | ano mise / that shop over there。二人から離れた店。 |
| どの電車 | dono densha / which train。「どの」の後に、尋ねたい物の名前を置く。 |
| 言い方 | 使う場面・次の行動 |
|---|---|
| これは本です。 | This is a book。これが何かを説明する。 |
| これは安いです。 | This one is cheap。指している物が分かっている。 |
| この本は安いです。 | This book is cheap。本という名前を足して説明する。 |
まずは「これは本です」と「この本」の形を分けて覚えます。くだけた会話では助詞を省いた「これ、本です」も聞かれますが、名詞の前に付く形が「この」であることは変わりません。
どれですかと聞き返されたら、色や棚の位置を足す
店員が何本かペンを持っていて、「それ」だけでは伝わらない場面です。次の例は、位置や聞き返し方に合わせて選ぶ言い直しです。
| 言い方 | 使う場面・次の行動 |
|---|---|
| どれですか。 | Which one? 店員が、どの商品を指したのか聞き返している。 |
| その青いペンです。 | That blue pen。店員が持つ数本のうち、青いペンを指定する。 |
| あの棚の上のペンです。 | The pen on top of that shelf over there。二人から離れた棚の上にあるペンを指定する。 |
| すみません、青いほうです。 | Sorry, I mean the blue one。青と赤の二本があり、店員が赤を取ったときに訂正する。 |
意図したペンを示してもらってから、次のやり取りに進みます。「青いほうです」は色の訂正で、購入を決めたという意味ではありません。値段を聞きたいときはいくらですかの使い方へ。
場所なら、ここ・そこ・あそこを使う
物ではなく、立っている場所や荷物を置く場所を指すなら、ここ・そこ・あそこを使います。
| 言い方 | 使う場面・次の行動 |
|---|---|
| ここ | koko / here。話す人のいる場所、その近く。 |
| そこ | soko / there。聞く人のいる場所、その近く。 |
| あそこ | asoko / over there。二人から離れた場所。 |
| どこ | doko / where。場所を尋ねる言葉。 |
| ここは新宿駅ですか。 | Is this Shinjuku Station? 今いる場所が新宿駅かを確かめる。 |
| そこに置いてください。 | Please put it there。相手のそばの空いた場所に置いてもらう。 |
| トイレはあそこです。 | The restroom is over there。二人から離れた場所を案内する。 |
「その話(そのはなし)」で相手が今した話を受けたり、「あの時(あのとき)」で二人が知っている出来事を思い出したりする使い方もあります。目に見える距離だけでは決まらないので、まずは実際の物と場所から練習しましょう。
一つのペンを動かし、話す人も替えて練習する
相手の近くにペンを置き、「それを見せてください」。受け取ったら「これはいいです」。二人から離れた台に置いたら「あれがいいです」。同じペンを使うと、物の名前ではなく位置で変わることを確かめられます。
相手がペンを取り、自分の手元に戻しました。自分から「そのペンがいいです」と言える?
言えます。相手の近くなので「そのペン」です。持っている相手自身が話すなら「このペン」になります。
本を指して「This is a book」と言う文と、「This book」と指定する形は?
「これは本です」と「この本」です。どの本か答えるなら「この本です」とも言えます。
店員が赤と青のペンを持ち、「どれですか」と聞きました。青を選ぶなら?
「その青いペンです」。店員の近くなのでそのを使い、色とペンという名前を足します。
店で迷ったら、物の位置を見てから、必要な名前や色を足します。文法を順に学ぶなら次は語順と文の組み立て、指して頼む練習なら注文の日本語へ。